当協議会について

代表理事挨拶

小山貴史

 地球温暖化の抑制や持続可能な社会の構築は世界的な課題です。我が国においても、エネルギー基本計画(2014年)において「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅において、2030年までに新築住宅の平均において、ZEHの実現を目指す」とする政策目標が閣議決定され、経済産業省はその目標達成のためにZEHロードマップをとりまとめました。ZEHとは省エネルギーと創エネルギーを共に達成する住宅であり、持続可能な社会の構築のためのコストパフォーマンスの高い住宅と考えられています。その証拠に、ZEHロードマップで定めた施策を実現するために公募された「ZEHビルダー」は約7,468社(2020年5月1日現在)となり「ZEHビルダー」が供給する住宅は、既に国内の新築戸建住宅市場の過半と推定されるなど大きな広がりを見せています。  もちろん、こうしたZEHの拡大においては、ZEHマークの表示方法の確立(建築物省エネ法に基づくBELS<建築物省エネルギー性能表示制度>に基づく)や、国・自治体から提供されるZEH普及施策が追い風となっていることを見て取れます。そして、我が国が抱えるCO2排出削減という課題(パリ協定における目標達成)や電力・エネルギー事業の再編成を鑑みれば、これからもこうした政府等の施策や支援は継続していくものと推察できます。
 現代人は住宅においても大量のエネルギーを消費します。ですから、これから構築されてゆく持続可能な社会では、CO2発生の少ないエネルギーの安定した供給と、エネルギーの効率的な使用が住宅における必須条件になります。ZEHは、こうした必須条件を満足する住宅です。私たちは日本の未来、世界の未来のために、多くのZEHを建てていかなければなりません。
 私たちZEH推進協議会は、有識者・団体・事業者有志とともに、ZEHビルダーを支援し、我が国のZEH普及活動を推進していく所存です。住宅会社、住設機器・建材メーカー、関連事業者の皆様とともに、より良い住宅、より良い社会を見据えた協議会活動に邁進して参ります。

代表理事プロフィール

氏名
坂本 雄三(さかもと ゆうぞう)
所属
東京大学名誉教授、一般財団法人 日本建築センター 顧問
略歴
  • 1948年 札幌市生まれ
  • 1971年 北海道大学卒業
  • 1978年 東京大学大学院博士課程修了(工博)
  • 1978年 建設省建築研究所・研究員
  • 1990年 名古屋大学・助教授(工学部・建築学科)
  • 1994年 東京大学・助教授(工学部・建築学科)
  • 1997年 東京大学・教授(工学系研究科・建築学専攻)
  • 2012年 国立研究開発法人 建築研究所 理事長
  • 2017年 同 退職、現職
主な委員など
  • 東京都環境影響評価審議会・委員(2000.4~2010.3)
  • 国土交通省社会資本整備審議会・建築分科会・省エネルギー判断基準等小委員会長
  • 国土交通省社会資本整備審議会・建築分科会・建築基準制度部会・臨時委員
  • 国土交通省社会資本整備審議会・環境部会・臨時委員
  • 国土交通省・低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議・委員(2010)
  • 国土交通省・住宅・建築物のエネルギー消費性能の実態等に関する研究会・座長(2017~現在)
  • 経済産業省・ゼロ・エミッション・ビルの実現と展開に関する研究会・委員長(2010)
  • 経済産業省・総合資源エネルギー調査会・省エネルギー基準部会・委員
  • (公益社団法人)空気調和衛生工学会会長(2010.5~2012.5)
  • ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー審査委員会委員長
  • 健康・省エネ住宅推進協議会・会長(関東地方1都6県)
  • (一社)YUCACOシステム研究会・会長
主な活動と業績
  • 国および東京都の省エネルギー施策の立案に参画してきた(例えば、省エネ法に基づく住宅・建築物の省エネ基準告示の立案、住宅の品確法に基づく住宅性能表示制度の立案など)。
  • 著書:『建築と気象』(朝倉書店、1986)、『新・住まい学』(日経BP,2004)、『省エネ・温暖化対策の処方箋』(日経BP企画,2006)、『建築熱環境』(東京大学出版会,2011)
  • 論文:審査付論文50編ほか
  • 受賞:坪井賞(日本ツーバイフォー建築協会,2001)、空気調和衛生工学会学会賞(2005・技術賞建築設備部門、2014・論文部門)、空気調和衛生工学会・井上宇一賞(2014)、国土交通大臣表彰(都市計画法・建築基準法制定100周年記念,2019)